保津峡橋(京都府)
JR山陰線保津峡駅前に架かるフィーレンデール橋です。フィーレンデールとは、その名のとおりベルギー人のArthur Vierendeelが考案したフレーム構造になります。トラスに比べると経済性に劣るため採用されることが少ない形式であり、我が国には30橋程度しか実績がありません。しかし、斜材の無いスッキリした景観や機能性が好まれ、最近では都市部の歩道橋などに採用が増えつつあります。
ところで、この橋の場合は選定理由が少し異なっており、架橋地点までの道路が狭隘で、長尺な部材が輸送不可能であったため、桁橋やトラス構造より合理的なブロック割となるこの形式が採用されました。ちなみに主構は片側で23ブロックもあり、架設もケーブルエレクション直吊りでした。平行弦のプロポーションが如何にもフィーレンデールらしく、真っ赤な色と大きく湾曲したエンドポストは黒部川第二発電所に架かる目黒橋(1934年)を彷彿とさせます。
発注者 | 京都市 |
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形式 | フィーレンデール橋 |
完成年 | 1989年 |
グループ会社 | 株式会社横河ブリッジ |